華の下にて・・・追悼、内田康夫さんを偲んで(泣) [書籍:この本が凄い編]
超おススメの超感動大作だぞ!!
2018年3月13日・・・私たちが最も尊敬して・・・
日本、いや世界でも最高の作家だと思っている内田康夫さんが永眠されました。
こんなに衝撃を受けたニュースは久しかったわけで・・・スッゴク・・・悲しい(泣)
実は最近忙しくて、ひと段落が付いた先ほど気が付いたわけで・・・
なんでこんな重大なニュースに今まで気が付かなかったのか・・・
内田康夫さんって昔から大好きで・・・
家には100冊以上の浅見光彦シリーズと信濃のコロンボの全作品を持っているわけで・・・
推理小説なのにすべての登場人物が気持ち良くて・・・
そりゃ、中には嫌な奴もいるけど・・・
でもやっぱり内田康夫さんご本人のような浅見光彦の神対応がホントに心地よくて・・・
トコトン感情移入出来て・・・トコトン爽やかで泣ける・・・
全作品に通じる作風が本当に大好きなのです!!
と、言っても・・・全てのTVドラマや映画は製作者側が全く・・・わかってないなので、おすすめはしないけどね??
なので皆さんには内田康夫さん作品の気持ち良さを感じてもらいたいので・・・
絶対に小説を読むべきだと思うのです!!
ってな事で取り急ぎ・・・浅見光彦作品の中でも内田康夫さんのエッセンスが満載の『華の下にて』を紹介しちゃうのです!!
内田康夫さん作品のお勧めランキング!!
そんな内田さんを大好きな私たちがおススメするベスト5をここで発表しちゃうぞっ!!
【内田康夫さん作品ベスト5】
★第一位:『王将たちの謝肉祭』
★第二位:『津和野殺人事件』
★第三位:『華の下にて』
★第四位:『天河伝説殺人事件』
★第五位:『ユタが愛した探偵』
はっきり言います!!
これならどれを選んでも誰でも絶対に満足できるはず!!
特に『王将たちの謝肉祭』は二人とも文句ナシの断トツ一位で・・・
カテゴリ的には推理小説だけど・・・
世間の矛盾に押しつぶされ、捻くれてしまった対極にいる二人の将棋の名人が・・・
存在すら知らなかった息子によって二人とも救われるという超感動的なヒューマンストーリーで・・・
これを読んで泣かない人は人間じゃないって断言できちゃうほどの傑作!!
なので一位は簡単に決まったんだけど、第二位では意見が分かれちゃって・・・
私的には『華の下にて』で『津和野』は三位と思ってたけど・・・
彼女は絶対に二位は『津和野』だと言っていて・・・
そうなると彼女にトコトン弱い私が折れるしかなく、第二位は『津和野殺人事件』だねって事に??
そんな感じのふわふわランキングなので・・・皆さんの参考になるのかなってな感じ(笑)
『華の下にて』 華道宗家家元を題材にした最高の推理小説!!
そんな今回は天邪鬼的にお気に入りランキングの第三位に輝いた・・・
内田さん作品の中でも卓越した展開を見せる『華の下にて』をご紹介しちゃうぞっ(笑)
本作は内田さんお得意の『浅見光彦シリーズ』であり・・・
題名からも推察できるように『華道』を題材にした作品って事!!
そんな『華道』・・・こうした『家元制度』を保持する流派って社会問題化してることも多く・・・
これを題材に扱うとなると超面倒くさい内容になるか・・・
もしくは狂気的な反応が怖いので上っ面だけの薄っぺらな内容になっちゃうことが多いのだけど・・・
そんな面倒くさいテーマでありながらも、この『華の下にて』って・・・さすがは内田康夫さん!!
素直な公平な目線からの問題の切込みとどこまでも爽やかな話の展開に・・・
超引き込まれちゃうぞって事なのです!!
内容は・・・こんな感じ!!
そんな『華の下にて』の内容とは・・・
ある激しい嵐の晩、峡谷のダム工事現場で独り宿直をしていた牧原は、ずぶ濡れの見知らぬ若い女性を助けた。
”六条”と名乗った女性が牧原の活けた花を『でも、すてき』と、褒めた事で牧原は捨てかけた華道を究める決心をし、日生会を立ち上げる。
それから四十年ほど経ったある日、その行為が室町時代から続く、丹正流宗家家元の後継者問題に影響を及ぼし、殺人事件にまで発展してしまう事となる。
まあ、端的に言っちゃうとこんな感じで・・・
京都を舞台とし、丹正流宗家の雅な雰囲気を匂わせつつ・・・
その奥底に潜む家元制度の矛盾を指摘して殺人事件にまで発展させる展開が凄すぎるって事!!
一見、艶やかな世界に見える処ほどドロドロとした触ってはいけない暗部があり・・・
あの可憐で天真爛漫な少女であっても染まってしまい『六条御息所』と化す・・・
そんな『家と血筋を守るため』には『どんな人間であっても鬼となる』・・・そんな悲しい物語なのです(泣)
なのでストーリーも二転三転し、一瞬たりとも読者を飽きさせる事が無いのがすごいっ!!
でも基本は『華の下にて』であり・・・
『あの桜が全ての始まりであり、終わりであった』と・・・
エンディングで気づかされるのが素晴らしいのです!!
そんな可憐で雅な印象を与える『華』は、古来『桜』の意味もあって・・・
鎌倉時代頃に編纂された『山家集』の『西行法師』の有名な歌もあって・・・
『ねかはくは花のしたにて春しなん そのきさらきのもちつきのころを』
そんな意味深な歌を最初の頁に持ってくるなんて・・・
読む前は何故、そこに引用してあるのかが全く理解できなかったけど・・・
読み終わったら”そういう意味だったのか”と深く納得させられる展開も最高っ!!
そういう伏線が随所に散りばめてあるので、本作を手に取った 読者は何度も何度も感心させられちゃうのです!!
ホント、内田さん作品って綿密に考えられてて最高に面白いっ!!
それでここからは他作品含めた全般のお話を・・・
実は浅見シリーズって犯人を告発せず、『本人の意思による自殺』とする事で話を結んでいる作品が大半で・・・
それでは勧善懲悪に結びつかず、有耶無耶なまま終わってしまうので不満に思う方もいるようだけど・・・
敢えて言っちゃうけど、私たちは有耶無耶だからこそ好きなのっ!!
それってね、内田さん作品に出てくる犯人達って殺したくて殺したわけじゃないってのがあって・・・
作中で何度も悔やんで苦悩し続けている姿が描写されてることが多いので・・・
やっぱり自殺という結末の方がしっくりくるのです!!
そんな犯人たちを『天河伝説』に例えると・・・
場面が変わるとやむなく『後シテ』 へと変化せざるを得ない感じで・・・
全ての作品は内田さんならではの『優しい雰囲気』に包まれており・・・
凄惨な殺人事件モノでありながらも、読後は爽やかな気持ちになれて・・・
深い満足感を得られるのが魅力でもあるのです!!
そんな魅力的な内田さんの推理作品の傑作、『華の下にて』・・・
読まないと本当に人生、損しちゃうぞって事なのです!!
【この本がすごい】
華の下にて・・・追悼、内田康夫さんを偲んで
内田康夫『津和野殺人事件』が凄い
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日本推理小説界の至宝ともいうべき、内田康夫さんが亡くなって・・・本当に悲しい(泣)
これほどの才能と学、文才にあふれた最高の作家はもう出てこないだろうね(泣)
内田康夫さんのご冥福を心からお祈り申し上げます。
内田さん・・・今まで楽しませてくださって、本当にありがとうございました。
Pyonko and Mu From Tokyoでしたぁーっ!!
タグ:小説
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