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『星を継ぐもの』インプレレビュー!!

『星を継ぐもの』インプレレビュー!! [書籍:この本が凄い編]

非常に読み難いが、SFや推理好きなら確実に嵌ってしまう傑作SF小説!!

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星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

  • 作者: ジェイムズ・P・ホーガン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1980/05/23
  • メディア: 文庫

今回は久しぶりに小説レビューで・・・『星を継ぐもの』のご紹介!!

これってね、日本では1980年に発売され創元SF文庫読者投票第一位を獲得した・・・

『ハードSF』に分類されるロングセラーSF小説!!

著者は英国ロンドン生まれの故James・Patrick・Hogan氏(1941年生~2010年没)で・・・

彼のデビュー作であり原本は1977年に発表されたモノなので、『ペリー・ローダンシリーズ』や『スターウォーズシリーズ』などの同じ、古典SFとでも形容すべき作品なのです!!

そんな本作ってもともとが英文だった為、翻訳してあるんだけど全編に渡って原文を直訳した感じで・・・

正直、かなり読み難い!!

そんな本作って全文、日本語なのにまるでローラに朗読させてるような感じの文章で・・・

ホントに文脈を読み取って理解していくのが超難しい作品なのです!!

なので、正直に言っちゃうと・・・

コミックも発売されてるので、手軽に『星を継ぐもの』の世界を堪能したい方はこっちの方がいいかもね??

星を継ぐもの コミック 1-4巻 セット (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

星を継ぐもの コミック 1-4巻 セット (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

  • 作者: 星野之宣
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2012/10/12
  • メディア: コミック
と、コミック版を紹介しながらもここで爆弾で・・・

上記、MVはバンド名は同じだけど、本作とは関係ないので誤解しないでね(笑)

ってな感じで・・・ふわふわしながら行っちゃうぞっ(笑)

 



ちょいと加筆・訂正しながらの丸写しなのです(笑)

そんな今回のレビューってもともとは『ブクログ』さんに投稿したレビューの練り直し記事(笑)

なのでこの際、全文を改訂しちゃおっかって思ったけど・・・

正直、面倒くさい(笑)

しかも読み直してみると執筆当時の心境が書かれてて、自分でもちょいと面白いって思ったので・・・

えへへ・・・部分部分に加筆修正しながら転記しちゃうのです!!

ってな感じで・・・レビュー本文なのです!!





レビューを書いたのってちょいと前の年度末だったのです!!

昨夜は年始からの仕事で忙しく、お疲れ気味の彼女を慰労する目的で楽しみにしてたお洒落な看板を出すBARに行ってきたけど・・・

いやぁ~、失敗、失敗っ!!

『もう絶対にあの店には行かない』って、会計しながら二人とも決心しちゃいました!!

『全席ソファー席でくつろぎながら美味しいお酒を・・・』・・・って、ソファーじゃないじゃん!!

あれはね、ソファじゃなくてベンチって言うんですっ!!

しかもテーブルがいくつも空いてるのに私達が通された席は壁に向かった狭い圧迫感アリアリのカウンター席で・・・

ほら、狭いから袖にジョッキを引っかけてビールをこぼしちゃったでしょ!!

店員は何度も慌てる彼女をチラチラ見てても、こっちからお願いするまでおしぼりをくれなかったし・・・

ホント、最悪!!

しょんぼりしながら『看板に偽りあり』をそのまま具現化した店を出ながら何の気なしに空を見上げると・・・

夜空には大好きなオリオン座がキラキラ輝いてて、ため息が出るほど綺麗な夜空が私達を癒してくれましたっ(笑)

そういえばさ、オリオン座の左上に位置する恒星が近々爆発する可能性があるってみんな知ってる??

その星って、地球から光の速度で約642年もかかる場所に位置する『ベテルギウス』と呼ばれる恒星で、質量は実に太陽の20倍程!!

なのでベテルギウスを太陽に置き換えると地球の周回軌道を遥かに超えて・・・

木星周回軌道近くまで直径がくる超巨大な星なのですっ!!

それだけ大きい恒星で、しかも星の寿命も尽きかけている故に赤色超巨星であり、最近の観測では2009年に行われたNASAの観測時よりも15%程も収縮しており、その収縮速度も加速し続けているのが確認されてるので・・・

もしかしたら近いうちに、ホントに超新星爆発を起こすかもしれないって事!!

そんな壮大な宇宙の事を考えたら嫌な事など忘れて・・・ワクワクしちゃうよねっ??

ホント、宇宙って・・・『SUKOSHI FUSHIGI』・・・って、藤子不二雄さんじゃないんだからってな感じだあよね(笑)

あはは・・・かなり強引だけど、そんな流れから・・・

今回はちっぽけな地球から遠く離れた壮大な宇宙を舞台にした『少し不思議』作品をご紹介しちゃいましょっ!!





1977年に公開されたってのには、ホントに驚いちゃうよね!!

そんな小難しい作品の粗筋とは・・・

『月表の狭い峡谷内、人工的に掘られた洞窟の中から真紅の宇宙服を着た人間の遺体が発見された。

チャーリーと名付けられ、地球に持ち帰られた遺体を詳しく調査した結果、彼は現代の人間と全く同じ容姿をしており、人類との相違は見つからなかった。

だが、彼は五万年前に死んでいた。

地球で人類が発現した原始時代に同じ人類が月に存在していた。

その驚くべき事実に各分野から研究者達が集結し、様々な推論を交わし、最後に出た結論とは・・・』

ってな感じで、まるで学会にいるような雰囲気で全体が構成されてるのが特徴!!

その為、『スターウォーズ』や『海底2万マイル』、『ペリー・ローダンシリーズ』などの古典的メジャーSFとは違って、戦闘シーンも無ければロボットも出ず、恒星間移動の旅もないって事!!

なので大まかに言っちゃうと”惑星改造=テラフォーミング”的に絞ると『時間封鎖』のような作風だけど・・・

本作はミステリー的な要素もあるし、ミッシングリンクにまで話を広げている部分ですごく専門的だし、でも宇宙人が最初に出てくる時点で明確なSFだし??

なので、それこそ星の数ほどもあるSF作品だけど、著者の作品以外に形容できる作風が見つからないような印象なのでハードSFって呼ばれてるんだねっ!!

あはは・・・わかんないや、形容するのはあきらめたっ(笑)

それで本作の凄い点は、1977年に発表されたって事!!

1977年といえば、当時絶大な人気を誇ったキャンディーズが引退・・・



かたやAPPLE社が法人化した年でもあり・・・



日本の家庭に1960年より続くいざなぎ景気の影響で、ようやく三種の神器(カラーTV、クーラー、自動車)が普及し始めた年なのです!!





そんな現在からみるとかなり古臭い『昭和的な発展期』に執筆された作品なのに・・・

読んでみても殆ど破綻していない科学的考察を交えた描写なのにはホント、驚いちゃうでしょ??

また作中に出てくる企業も『英国航空』とか、レンタカー企業の『AVIS』とか??

あはは・・・ホーガンさん、お遊びしすぎってな感じで面白すぎるぞっ!!





そんな傑作でも・・・見逃せない欠点があるって事!!

こんな楽しい小ネタが光る作品なので、ツボにはまればワクワクしながら一気に読んじゃうけど、非常に残念なポイントがあるのです!!

それって前述したように直訳の文章がひどく読みにくいって事!!

例えば会話で・・・

”「まずは予想される質問にお答えしましょう。第一に・・・・・・答えはノウです。死体の身元は不明です(かっこ閉じるが無い)”

など、会話なのに”『』”を閉じていなかったり??

英語なら会話を閉じる必要はないけどさ・・・日本語だと必須でしょ??

なのでこれって普通に添削ミスなんじゃないの?ってな感じ!!

このようにちょいと意味不明な文章になってる部分が多いので、結構、読みづらいって感じる方もいたりして??

このような文章の他にも・・・

単語や状況説明にちょいと不自然な表現や前文とは違う状況記述があったりするので・・・

読み手の想像力と記憶力、適応力と許す心を必要とするので、慣れていない方には相当難しい作品と言っても過言でもないような気がしたりして??

さらに本作って最初に、”結論はこうあるべきだ”とのプロットを作成してから肉付けしていったと感じるのだけど、その部分で大問題が??

遺体がどの惑星(ミネルバ)の住人なのか??

それを解明していくってのがテーマなんだけど・・・

それって最初に提示されたデータだけで簡単に判明できるよね??

ほら、公転周期=惑星が太陽を一周する期間なんだから・・・

それが月面の裏側で発見されたミネルバ人とされるチャーリーの暦が発見されて・・・

彼らの惑星の1年間は地球の〇〇〇〇日間と解明できた時点で、どの位、太陽から離れているかが計算でき、住んでいた惑星を簡単に特定できるって事!!

って事はミネルバが太陽を一周する日数は〇〇〇〇日間って事は・・・あの〇〇付近だねって・・・少し天体に詳しい小学生でもわかっちゃうレベルだって事っ!!

それをクライマックスぎりぎりまで・・・ミネルバは〇〇人だ、いや、〇〇人だと、お偉い学者さんたちが議論を戦わせているのをみると、結論を先送りにしているような、じれったい思いでイライラしちゃったりして??

そして最後に・・・

SFだけあって登場する未来の機器類の描写がすごく細かいのは良いのだけど・・・

話に関係ない部分でかなり頁数を割いてるのでかなりクドイ印象を受けちゃうのが残念っ!!

これって私もそうだけど、自分が知ってる事って何かと説明がクドクなっちゃうモノなので・・・

ま、いっかぁーってな感じだよねぇーっ(笑)





興味があったら是非、読んでみてね!!

正直に言うと上記ポイントが気にならない方なら、すっごく面白いと感じるはずなので・・・

興味があったら是非、読んでもらいたいって思うのです!!

でもやっぱりさ・・・

前述した理由から、女性にはあまり向いてないので、女性は素直にコミック版の方がずっぽりと堪能できるかもね??

それと男性でも心の許容度が高くて、小難しい文章をかみ砕ける方でないと愉しめず・・・

短気な方には絶対に向いてないので注意してねっ!!





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こんな感じで久しぶりのレビューはおしまい!!

おっと・・・そういえば小説でも最高傑作と思ってる内田康夫さんの推理小説『王将たちの謝肉祭』のレビューをしてなかったかも??

あはは・・・すっかり忘れてたって・・・ダメダメじゃん(笑)

ってな感じで・・・

みなさま、ごきげんよぉーって事なのです!!




Pyonko and Mu From Tokyoでしたぁ~!!

 

タグ:小説
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鈴木しのぶ

難しそうな作品ですね。映画はSFは好きなのですが本は苦手かも?です。なのでこの本は読まないと思います。紹介させたのにごめんなさい。内田さんの本のブログ待っていますね。
by 鈴木しのぶ (2017-07-04 14:44) 

うっかりくま

なんと、この作品は自分の「読みたい本リスト」に
入っております。小学生の頃最初に買った本が星新一
なのに古典的SFの名作を意外と読んでいない・・
ローラに朗読させたみたいなのですか?!(笑)
でも設定自体がもう、ワクワクしますね。
難解なのも好きですが最近は細かい字が辛い
のでコミックを読んでみようかな~?
前回の「羊たちの沈没」、タイトル見ただけで
大笑いしてしまいました。多分、ツボです!
Mr.ビーンが終わってしまって寂しいですが
他にもいろいろあるんですね。嬉しい~。
by うっかりくま (2017-07-04 22:48) 

muku

本は読んだことがある。。。
ほんの数ページで諦めたけど(;´∀`)
私にはいつになっても読破出来そうもないわ~
っていうか、好き嫌いが激しく分かれる作品ですよね。
by muku (2017-07-05 10:29) 

むうぴょんこ

鈴木さん、本作ってとことん英文に忠実に、更に英語小説ならではの日本的な詳細な状況と心境説明がまったく無いので、SF小説が好きでも苦手な方が多い作品だから、そんなに恐縮しなくても大丈夫だよ!!
いずれ内田康夫さんの傑作も紹介する予定なので・・・楽しみに待っててね!!

by むうぴょんこ (2017-07-05 10:47) 

むうぴょんこ

うっかりさん、うんうん・・・正しくローラなんです!!
いきなり話が飛ぶし、段落はわかりにくいし、同じモノや状況を表す単語もシーンごとに名前が違ってることもあるので・・・
かなりローラが入ってますっ(笑)
なので、もし私が本作のタイトルをつけるとすれば時間は前後するけど・・・
『ローラを継ぐモノ』・・・的な感じかな(笑)
でもこういうのって気楽に読みたいよね??
なので・・・コミック版がやっぱりおススメなのです!!
それで私たちが好きなドタバタ映画は・・・
『ピンクパンサー(クルーゾー版)』だったりするのでそちらもぜひ観てみてね!!
by むうぴょんこ (2017-07-05 10:55) 

むうぴょんこ

そうそう、MUKUさんが言われる通り、好き嫌いが激しく分かれる作品だよね!!
なので人によっては『罰ゲーム』的な感じにもなりえちゃう(笑)
あはは・・・実は私も一読では理解できなくて疑問がどんどん湧いちゃって・・・
結局、3回読んでおぼろげに理解したんだけど、それでも納得できなかったので原本も読んでやっと・・・ってな感じ(笑)
これが古典SFの面白さでもあるし、難しい部分でもあるんだよね!!

by むうぴょんこ (2017-07-05 10:59) 

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