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海外営業職時の愚痴話 『インド大使館編』

海外営業職時の愚痴話 『インド大使館編』 [企業:過去業務経験と考察]

苦労したランニングロイアリティ契約締結までのお話しって事なのです!!


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今回も年号が『令和』へと変わった初回記念記事としてのテーマとして・・・

前回の平成時代の最後に書いた記事が思いのほか、評判が良かったので気を大きくしちゃってからの・・・

『過去業務で経験した壮大な愚痴話の第二弾』をお贈りしちゃうぞっ!!

これって自分でも記事を見返してみたら単純に読み物として面白かったので調子に乗っちゃってるってのもあるんだけどね(笑)

そんな感じで前回は『海外営業職の範疇』を大きく超えた『海外生産移管プロジェクトの愚痴話』だったけど・・・

今回は海外営業職らしく、インド現地法人が設立されて以来、〇十年もペンディング事項となっていた・・・

『海外ロイアリティ契約締結にまつわる愚痴話』(笑)

これってもしかすると転職活動で応募させてもらってる企業さんたちも自己PRの一環としてレジュメに添付したURLから辿って読んでくれてるのかな??

実はこれって知る術はないけれど・・・って、知ろうと思えばできなくもないけども、自分がされたら嫌な事って絶対にしたくないので・・・

もし読んでくれてるとしたら、私の人間性を図る良き参考情報となると思うのでスッゴク嬉しいなって淡い期待を込めつつ・・・

本題にいっちゃうぞって事なのです(笑)

 



『ロイアリティ』とは何ぞや??


そんな感じで今回のお話しは・・・

『インドとのロイアリティ契約の締結で非常に苦労した愚痴話』(笑)

それでみんなって『ファミレスのロイヤル』は知ってると思うけど・・・

業務上、発生する『ロイアリティ』って一体なんのこっちゃって思うでしょ??

そんな『ロイアリティ』って日本では『ロイ”ヤル”ティ』と表記するのが一般的なんだけど・・・

英語表記では『ROYALITY』なので正確には『ロイ”アリ”ティ』が正しい!!

なので天邪鬼の私としては英語表記を優先して本記事では『ロイアリティ』としちゃうのでお間違えなきよう(笑)

そんな感じで前情報として端的に『ロイアリティ』とは何かって説明すると・・・

『知的財産権などを利用する企業(人)が、知的財産権などを保有する企業(人)に対して支払うべき利用料(対価)』を指してて・・・

例えばコンビニ最大手チェーンの『セ〇ンイレブン』の『フランチャイズ契約』などがそれに該当して・・・

『セブン〇レブン』の商号を持つ店舗と商品の提供、そしてその販売システムを利用できる代わりに、利益に応じた割合率(対価)をセブンイレブン本社に差し出せって契約の事で・・・

『セブン〇レブン独自の販売システム』が『知的財産権』にあたり、利用に対し対価が発生するので・・・

契約時に決められたパーセンテージレート(割合率)で『ロイアリティ』を支払うのが義務との認識になるって事なのです!!

うーん・・・重要な部分を曖昧にしちゃったのでわかりにくくなっちゃったよね??

ならばということで例えとして・・・

みなさんにも身近なテレビやラジオなどで流れる音楽にも著作権があり・・・

テレビ局がそれら楽曲を使用した際にはその楽曲を作った著作権保有者に利用料(対価)を支払うべき『ロイアリティ契約』が発生するって言った方がわかりやすいかな??

なのでテレビ局やラジオ局はその企業規模に応じて『ロイアリティ』を支払ってて・・・

その楽曲の放送ごとに『ロイアリティ』(楽曲使用料)として『JASRAC』(一般社団法人 日本音楽著作権協会)に以下の利用単価で支払ってるのです!!

【放送局類別単価一覧】

★地上波テレビ局(1曲1回あたりの放送使用料)

 類別   単価          放送局名
・第1類=12,000円:  東京(TBS)、日本テレビ、テレビ朝日、フジテレビ
・第2類=  8,400円:  テレビ東京、毎日放送、朝日放送、読売テレビ、関西テレビ
・第3類=  7,200円:  中部日本、東海テレビ、名古屋テレビ、中京テレビ
・第4類=  4,800円:  北海道、札幌テレビ、北海道テレビ、北海道文化、RKB毎日、
            九州朝日、テレビ西日本、福岡、東京メトロポリタン
・第5類=  3,600円:  テレビ北海道、東北、仙台、福島テレビ、新潟、新潟総合、
            信越、静岡、テレビ静岡、テレビ愛知、テレビ大阪、山陽、
            中国、広島テレビ、TVQ九州
・第6類=  3,000円:  上記以外


★地上波ラジオ局 (1曲1回あたりの放送使用料)

 類別    単価         放送局名
・第1類=  5,000円:  TBS、文化、ニッポン
・第2類=  3,500円:  FM東京、J-WAVE、毎日、朝日、大阪
・第3類=  3,000円:  RFラジオ日本、中部日本、東海ラジオ、FM大阪
・第4類=  2,000円:  北海道、札幌テレビ、横浜FM、FM愛知、FM名古屋、
            FM802、RKB毎日、九州朝日
・第5類=  1,500円:  FM北海道、FMノースウェーブ、東北、FM仙台、ラジオ福島、
            新潟、信越、静岡、静岡FM、京都、ラジオ関西、Kiss-FM KOBE、
            山陽、中国、広島FM、FM福岡、FM九州
・第6類=  1,250円:  上記以外

*出展元: 一般社団法人 日本音楽著作権協会 https://www.jasrac.or.jp/info/cinema/cal02.html

そんな感じで『ロイアリティ』とは『知的所有権などの権利者への対価』って事は理解してもらえたかな??




問題を放置するのは最悪だって事(泣)

そんな感じの『知的所有権などの権利者への対価』である『ロイアリティ』なんだけど・・・

今回も前記事と同じで私が某日系メーカー企業にて正社員で海外営業職にあった際に業務上、苦労して対処したお話しで・・・

これって私が担当してたインドジョイントベンチャー企業(以下、インド現地法人企業)の設立以来、ずっと放置され続けてきた大問題だったって事(泣)

実はこの問題って単に契約上の問題ではなく、インドと日本の文化と風習の違いによる法的な考え方の相違が起因となってて・・・

当時のインドって国として100%外資、要はインドから見たら外国籍企業である日本本社による100%出資の新会社設立って法的に認められてなかったのが、そもそもの問題発生の根源にあったのです!!

そんなインドに於いて外資である日本本社に許されてたのは過半数を超えない出資比率であり・・・

代表権を持つ取締役役員の選出や取締役役員理事たちの優先的任命権を持って経営方針のキャスティングボードを操って取締役会を牛耳ってたのは・・・

過半数の出資比率を握っている業務提携を行った某インド企業だったことが問題っ!!

なので当然、私が担当したインド現地法人企業は日本本社と某インド企業との共同出資による合弁企業であり・・・

って・・・だから『ジョイントベンチャー企業』(Indian Local Joint Venture Capital Company)なんだけど・・・

インド側に有利な判断を下せるように代表権を持つ会長はインド出資元企業のインド人会長だし・・・

取締役役員の人数もインド側が多く、圧倒的に日本側に不利な状況となっていたのです!!

なので幾ら日本本社の関連企業とは言え、インド側に有利な方向に持って行きたい傾向が非常に強いインド現地法人企業が・・・

生産したら生産した分だけ利益を日本側にむしり取られる『ロイアリティ』、要は正確に言うと『ランニングロイアリティ』の支払いなんかに応じるわけがないって事!!

なのでインド現地法人は設立以来、日本側にイチャモンを付けては契約書へのサインを拒否し続けており、幾ら日本側が強い態度でせっつこうが・・・

『ランニングロイアリティ契約を締結していないので支払うべき根拠がない』・・・

との理由を全面にかざして全く支払いに応じようとはせず、私が対処するまで〇十年間も放置されてた大問題へと発展してたって事なのですっ(泣)

実は対処中に知ったんだけど・・・

せっついてたのは日本側の旧インド担当リーダーたちやインド駐在員たちはもちろんの事・・・

専務や常務、果ては社長(当時は日本本社の会長職も兼ねていた)自らも設立以来、〇十年も交渉してたんだって(驚っ)

でも日本側の社長や常務、専務といった要職にある方々との話し合いにおいてインド側は・・・

『わかりました。では担当者に早期に契約を締結するよう指示を出しておきましょう』と・・・

前向きな姿勢を示しつつも、いざ日印実務者同士の話し合いでは・・・

やれ『書類がない』だの・・・『上司の許可が下りない』などで、はぐらかしており・・・

最後は『インド政府の許可が下りないので無理だ』と言ってランニングロイアリティ契約の締結を拒み続けていたのです!!

実はこの問題って前記事の『インドへの生産移管問題』を達成した直後に日本側社長から呼ばれて直々に早期解決を指示されたのだけど・・・

そもそもこの問題ってインドリーダーに任命された時点で前任者から渡された引継ぎ書への記載はおろか、一年半ほど経ったその時点においても口頭ですら全く説明が無かったので・・・

前回と同じく知った途端に・・・なんじゃーっ、こりゃぁーってな感じ(泣)

正直ね・・・前任者って何故かいつも忙しくしててほとんど本社にいない上に・・・

担当替えにより引継ぎをした午後には、米国での展覧会の視察と米国現地法人との打ち合わせの為に一か月ほど長期出張で日本にはいなくなるとの事だったので、拝み倒して30分ほど時間を空けてもらって説明を受けたんだけど・・・

実際に渡された引き継ぎ書なんてA4用紙一枚に通常業務のフローを20行ほど箇条書きでちょろっと書いてあっただけであり、各項目の補足説明を口頭でざっと受けただけでも時間切れの状況で・・・

そんなヒドイ引継ぎだったのに今件とは別件の急務問題に対して出張中に何度も問い合わせのメールを入れても全く返事が来なかったのは何故っ??

なのでインド担当となった最初のうちはインド駐在員や営業業務室、そしてもっと前の前任者などに訊きまくってたんだけど・・・

まあ、前任者が帰国する1か月ほども経てばインドの状況がおおよそわかってきたので、前任者への期待は捨ててわからないことは多かったけど何とか回すことができるようになったんだよね(泣)

そんな感じで着任から一年ほど経過しても、相変わらずドタバタやってた時に前回のインドへの生産移管問題が発生して・・・

それが半年ほど経ってようやく落ち着いたのでほっとしてたら・・・

前回に匹敵するほどの大問題が隠されてたので・・・正直、また落ち込んじゃったのですっ(泣)

これって思うんだけどさ・・・

業務を引き継ぐ際には、誰が見ても一覧で即日対応できるような、きちんとした詳細なマニュアルを整備すべきで・・・

『QMS』の一環として『ISO』や『TS』、『PPAP』などの品質基準を会社としてクリアしときながらも、いつも上から目線で偉そうにふるまってる本社全社員のレベルが余りにも残念な状態にあって・・・

それってその企業でISO内部監査員をやってた時にも強く感じたけどさ・・・

要は担当業務を理解していない人間が場当たり的にやってるので担当者によって問題への対応がちぐはぐで・・・

結果、マニュアルを整備できないばかりか、問い合わせても答えられず、問題から逃げ回って放置してしまうといった悪循環に陥ってるのだと強く思ってしまったわけなのですっ(泣)

って・・・危ない・・・危ない・・・これ以上言っちゃうと愚痴どころか、悪口になっちゃいそうなのでこれくらいにしとこっと(笑)




誠意を込めて対等に話せば相手は必ず理解してくれるのです(日本人上層部は除く)(笑)

そんな感じで今回の『ロイアリティ契約問題』を正確に定義してみると・・・

本件は『ランニングロイアリティ契約』であり・・・

『日本本社が権利を持つ製品』を『日本が出資してる関連企業』ではあるが『法人としては別会社』である『インド現地法人企業』が・・・

『インドで生産する製品の個数』に応じて『日本本社に支払うべき対価』の支払いを拒否してたって事!!

これって海外で生産を行えば、どの業界においても発生しうる問題であり、そもそも対処できていなかったことが大きな驚きだったので、系列の海外現地法人企業とはどうしてるの?って不安に思っちゃって・・・

でも誰にも教えてもらえなかったので、裏でこっそりと法務部に頼み込んで各現地法人との過去契約書を全て自分で調べてみたら・・・

ありゃりゃ・・・どの現地法人ともランニングロイアリティ契約を結んでないじゃんってな仰天事実が発覚しちゃった(泣)

そりゃ・・・前例が無きゃ誰にも解決できないよねってな感じで・・・

ここに来て、誰しもがこの問題から逃げ回ってる理由がはっきりと理解できたって事なのです!!

そんな絶望的な状況であっても社長から直々に下された社命とあればやるしかない!!

なので『何故、インド側は締結すべき契約書にサインをしないのか』との根本的な要件定義から始める事にしたのです!!

そんな感じでまずはこの問題を最も理解してるはずのインド現地企業へと出向してる駐在員理事への問い合わせから始める事に!!

すると『以前から要請をしているが、サインをしたくないと言ってるので無理だ』と・・・

一行だけ記したまるで他人事のような驚きの返信が??

うーん・・・世界でも指折りの超優良日系商事会社から天下って来て3年近くもインド現地法人に駐在してる方なのに・・・

この薄すぎる返信内容って・・・いったいどーいう事?ってな感じで、しばし、あっけにとられちゃって・・・

でも状況を知らないと対処できないので、改めて丁寧な文章でインド側が拒否している理由の詳細を教えてくれるように再度メールを送ったのです!!

すると、その数分後に電話が鳴ったので受話器を取るといきなりの怒鳴り声が??

『貴様、俺を誰だと思ってやがる。取締役役員理事でもない一介の管理職ごときが話せる相手じゃないぞ。それを顎で使いやがって・・・』

てな感じで一方的に相手ががなり散らしてたので最初はうまく聴きとれなかったんだけど、要約すると・・・

私が最初の返信に満足せずに再度、詳細を教えてくれと言ったのが相当ムカついたらしく・・・

それに対するクレームだったってわけなのです(泣)

うーん・・・この人って前の生産移管問題でも無視を決め込んでて・・・

何を訊いても『俺の担当じゃない』と、全く動いてくれなかったので正直、期待してなかったんだけど・・・

でもね・・・『今件は元々あなたの担当でしょ??』ってな感じで・・・

ちょいとムカつきながらも、こっちにも『相手が解決できなかった痛い部分を突いちゃった』ってな負い目もあるので平身低頭して謝り倒したんだよね!!

そんな感じでクレームは30分程度続いたんだけど、そのうち相手も飽きたのか・・・

『もう、お前とは関わりたくないから、今後一切、連絡するな。』・・・

との捨て台詞を残して電話を切られたので、ほっと安心しちゃったりして(苦笑)

まあ、営業って理不尽な相手への対応なんて日常茶飯事だし・・・

それにこの駐在員理事の方ってインドで何度も顔を合わせてるんだけど、いつも偉ぶってて私を見下してた態度でいたので呆れちゃってて・・・なので今更、怒ったりなんかはしないけど・・・

でもインド側が拒否してる正確な理由を把握できなかったのには本当に困っちゃって・・・

インドにいる日本人駐在員のトップを私の『不注意』・・・だった事にしとこう・・・で、怒らせてしまった以上、他の日本人駐在員の協力を望んでは現地に駐在してる皆さんへの大迷惑となってしまうので・・・

私自らがインドに乗りこんで、直接インド上層部とのミーティングを行うしかないって確信しちゃったってわけなのです!!

実はその一週間後には別件で、前記事とは別の世界的な超優良日系顧客企業様によるインド工場の顧客監査が予定されてて・・・

インド担当リーダーとして日本の品管及び品証のリーダーたちと共に20日間ほどインドへ出張する予定になっていたので・・・

一日だけ調整を付けて、インド現地法人経営陣にアジェンダとして今回の『ランニングロイアルティ契約の締結』をテーマにミーティングを開催するよう要請したのです!!

そんなこんなで顧客監査の合間にインド上層部とのミーティングを開催することになったんだけど・・・

出席してきたのが専務と工場長、営業本部長と法務部部長とそれら部下たちだけって??

実は早期に解決したかったので会長や社長、常務などの現地取締役会理事たちの出席を希望したのにこれだけってのは・・・いったい、どーいう事ってな感じ??

なので会議室で居心地が悪そうにしてる専務に優しく訊いてみると・・・

どーやら、あの日本人駐在理事がこの会議への出席は必要ないと言ってるらしく・・・

でも私の要請なので出席しないわけにもいかずに担当部門長である専務を筆頭に実務者メンバーが集まってくれたって事らしいのです!!

でもね、実務者だけの方が率直な意見が訊けるし、解決に向けての交渉をしやすくなるので・・・

ぶっちゃけ、チャチャを入れてくれてアリガトッ的な感じだったりして(笑)

そんな感じで最初は口が重かった彼らだったけど・・・

世界的な常識から法的に責任を逃れることはできないことを優しく諭していったら、徐々に口を開いてくれて・・・

結局、『インドの利益が減るのは困る』との某インド出資元企業からの強い思いにより、契約締結をしてこなかったとのことらしいのです!!

うーん・・・なんて幼稚な・・・結局、日本本社って下に見られてただけじゃんってな感じで・・・

『じゃあ、今すぐ契約書にサインしてよ』って専務に契約書を差し出したら・・・

『インド人会長の許可を得なければサインできないので少し待って』と!!

では待ちましょってな感じで電話してる専務を残して休憩時間とすることにしたんだよね!!

そんなこんなで20分後、外気温は40度を超えてる中、汗だくでタバコを吸って戻ってくると・・・

専務が暗い顔で『契約書にサインすることはできません』と、ぽつり・・・(泣)

訊いてみるとインド人会長が猛反対していて、譲歩するなんてとんでもないと電話で猛烈に叱られたとのこと!!

しょんぼりとしてる背の高い50代後半の北インド出身の専務を見てると可哀そうになっちゃって・・・

じゃあ、私が電話で話すので電話してってお願いして直接会長と話すことに!!

電話に出た会長には『今件は専務が悪いわけじゃなくて法的に逃れられない事だから仕方がない』って事を深く理解してもらってから・・・改めて契約書へのサインをお願いしたのです!!

でもここで会長の口から衝撃の事実が!!

インド現地法人として契約書にサインすべき理由は十分に理解したが、その前に解決すべき事があって・・・

それがインド政府とインド準備銀行(要はインドの日本銀行的なモノ)の事前認可が必須だと言われたのです(驚っ)

えっ・・・それって前に日本で噂として聞いてたけど、事実だったの??・・・ってな感じで・・・

その問題もあったから今までの交渉はうまくいかなかったんだねって、ようやく問題の原因を突き止めることができたってわけなのです!!

でも、どうすれば認可を取得できるのかって具体的な対処法が見えてこなかったので・・・

会長にはインド政府とインド準備銀行にどんな申請を行えば許可を得られるのかを訊いたのです!!

すると会長は難しい問題なので英語では説明しきれないとのことで、専務と現地語で話すので代わってくれと!!

なので専務に電話を返して話をしてもらい、電話後に説明してもらったら・・・

うんうん・・・見えてきましたっ!!

ほら、ランニングロイアリティって国外への送金プロセスがあるでしょ??

その際に不正な送金でないかのチェックがインド準備銀行で入るんだけど・・・

今回の場合、『送金先の日本本社の存在が確認できないので認可が下りない』って事だったらしいのです!!

でも・・・あれれ・・・

普通に銀行経由のリミッタンス(送金ベース)にて売買契約を交わしてるので日常的にお金の授受も相互に行ってるのに・・・

何故、ロイアリティの支払い時にだけ、インド政府とインド準備銀行がチャチャを入れてくるの??

ってな、はてなマークがくるくると!!

もちろんインド側スタッフも理由がわからずに頭を抱えてしまったので・・・

悩んでても仕方がないので直接訊いてみましょって事で、インド政府の金融管理部に電話してもらうことに!!

一時間ほど経った後に話がついて、ここでようやく対処すべき問題の根源が見えてきたのです!!

要は・・・

『ロイアリティ契約などの売買契約を伴わないインドからの一方的な送金が発生するケースの場合、不正を防ぐ為に送金先の確認が必要だが、今回の場合は日本本社の会社登記簿(履歴事項全部証明書)が過去に提出されているが日本語表記の為、インドでは確認できずに却下された』事が原因だったそうなのです!!

なんだ・・・言語の問題って・・・そんな些末的な事で止まってたの??

ならば日本の法務局に行って会社登記簿の英語版を入手し、インド準備銀行とインド政府に提出すれば、インド現地法人は契約を締結してくれるのねってな感じで・・・

改めてインド人会長にはインド政府とインド準備銀行の認可が下りればランニングロイアリティ契約にサインをしてくれることを確認し・・・

それを覚書として書類にし、会長本人がサインをしたのちにPDF化して日本本社社長を含む関係者全員に送付してくれるように頼んだのです!!

そんな感じで後はその出張の本題である『顧客によるインド工場監査』に専念することができたってわけなのです!!




最後は反則ギリギリの裏技で解決!!インド大使殿にも協力してもらったぞ(笑)

そんな感じで出張そのモノはうまくいったんだけど・・・

帰国後すぐに法務局を訪ねて『英語版の会社登記簿』の発行が可能か訊いてみたのだけど・・・

やっぱりね、日本のお役所なので母国語が日本語である以上、日本語以外での公的書類の発行は無理なんだって!!

うわぁ・・・このグローバル社会において・・・なんてまた保守的な態度なのって少し悲しくなっちゃった(泣)

それでもとにかく登記簿が無いと話が始まらないので一旦、社に戻り、取締役会と法務部の許可を得て登記簿の取得に動いたんだよね!!

でもやっぱり日本語表記なので、このままではインド政府とインド準備銀行が受け付けてくれないのは目に見えてる!!

なのでこんな時は海外専門機関である外務省に相談すれば道は開けるかなって思って訪ねてみても・・・

『登記簿を日本政府の公的書類として英語で証明することはできるが、外務省で内容を英語表記にすることは不可』・・・だって!!

ならば行政書士で翻訳してもらった書類はどうなのかって訊いてみても、『公的書類以外の証明はできない』って冷たく断られちゃった(泣)

うーん・・・ならばと国際弁護士に高い相談料を払って相談してみたんだけど・・・

米国や欧州、英国などは和文であっても受理されるケースがあるが、インドに関しては分からないとの返答ばかりで・・・

結局、何の糸口も見つけられないまま、時ばかりが過ぎてって・・・そんな帰国してから1か月ほど経ったある日・・・

靖国神社のニュースが流れてるのを見た際にふと思いついて・・・

靖国神社の近くにあるインド大使館と交渉してみたらどうなんだろって思いついちゃったんだよね!!

だってインド大使館と言えば日本におけるインド政府の代表でしょ??

だからもし大使館が履歴事項全部証明書を公的に認めてくれたらインド政府はもちろんの事、傘下のインド準備銀行だって反対できないはずだって理屈なのです!!

でも問題は『インド政府はいくら日本政府発行の書類であっても日本語表記の書類は受け付けない』って事がまだ解決できていないことにあって・・・

どこの機関にも頼めないのならば最悪、自分で作成するしかないじゃんってな感じで開き直ったのです(笑)

そんな感じでとりあえずその問題を抱えたまま、翌日インド大使館に行ってみる事に!!

見慣れたビザの取得でごった返す窓口に並んで訪問の意図を説明したら・・・

なんと運のよい事に丁度、大使館に経済商務担当の公使殿がいらっしゃるとのこと!!

なので即、面会を申し込んで社員証と免許証を提出し、コピーを取ってもらいながらしばらく待っているとボディチェックを受けた後にオフィスへと呼ばれたのです!!

取り急ぎ挨拶をして『インド政府とインド準備銀行がランニングロイアリティ契約の認可をしてくれない』と説明したら公使殿も驚いちゃって・・・

そりゃそうだよね・・・合法な企業間取引に政府がダメ出しするなんて、このグローバル社会で許されるもんじゃない!!

なので今後も経済商務担当公使として問題解決に向けて協力していただける事に(嬉)

そんな感じで次のアポまでにインド政府とインド準備銀行の意図を確認していただけるとのことで・・・

ようやく道が見えてきたのでルンルン気分で帰社したんだよね!!

それで次の週に再度、公使を訪問してみると・・・なんだか表情がすぐれない感じ??

もしかしてって訊いてみると・・・

『いくら日本政府機関が発行した公的書類であろうが、インド人には読めない日本語表記の書類は受け付けられない』とのことで・・・二人して頭を抱えちゃったのです(泣)

それならって感じで私が英語に内容を翻訳した書類をインド大使館が証明してくれたらOKではないのかと提案したら・・・

『もしかしたら、それなら可能かもしれない』と一転して明るい表情に!!

なのでその結果待ちという形で再度の交渉を公使にお願いしたのです!!

1週間後、公使から連絡が来たので指定された時刻にインド大使館に行ってみると公使殿と共に参事官殿も同席してくれてたのでちょいと期待しちゃったんだけど・・・

『やはりインド政府として私的文書の内容を証明するのは難しい』と言われちゃったのです(泣)

でもできなかったとそのまま放置するわけにもいかないので、三人であれこれアイデアを出し合った結果・・・

ふと思いついたのが『和文の公式登記簿』なら『日本の外務省』にて・・・

『これは正式な日本政府発行の書類である』と英語で表記し、証明してもらえる事に気が付いて・・・

その外務省の証明印に追記する形で・・・

『これは日本政府の公的書類である』と『インド大使館が並んで証明サインを記載することは可能か?』

と、訊いてみたら、公使殿から・・・

『それならば可能である』との言葉を頂戴したので反則ギリギリの裏技として・・・

問題の英訳に関してはあくまでも『私的な補足説明文書』として『内容の証明まではインド大使館に求めない』が・・・

『会社登記簿』と『私が英訳した文書』の二つを束ねて、その表紙に『公認同一書類、インド大使館』(Certified Copy, Certified by Indian Embassy) とだけ記載した上で『インド大使館の証明サイン』を頂戴することは可能かと訊いてみたんだよね!!

そうしたら二人とも笑顔になって・・・

『それなら読み方によって”インド大使館によって公認された公的書類的な意味合い”にも、”ただのインド大使館が公認した複写コピー書類”とも読み取る事が可能なので双方の問題をクリアすることができる。なので試してみよう』って(嬉)

でもそれには条件があって以下の項目の達成が必要不可欠だと言われたのです!!


【インド大使館から提示された証明許可条件】

1、日本外務省に4通の和文の会社登記簿を日本政府発行の公的書類だと英語で証明してもらう

2、今件に限り、私を暫定的にインド大使館の公認翻訳者とする

3、公認翻訳者である私だけで会社登記簿の英訳を全て行い、それを補足説明書類とする

4、但し、あくまでも公的登記簿書類のみの証明であり、英訳書類の内容までは関知しない

5、大使館は英訳内容を関知しない旨、日本側社長が了承する旨を記した社判とサイン入り覚書書類の提出

6、書類が揃ったらインド大使の直筆サインが必須なので、今回までに打ち合わせた内容を正直に説明し、自身でインド大使を直接説得して欲しい


こんな感じで決まったので早速、大使殿のアポを取ってもらったんだけど・・・

1970年代に廃止されたカースト制度の名残なのか、大使殿って大使館のトップにいる上に、元々非常に高貴な生まれの方だそうで・・・

例え公使殿であっても大使殿から直々にお呼びがかからない限り、同席する事は不可能だと言われちゃって・・・

まあ、そもそも風習が違うので無理に同席をお願いするわけにもいかないけど・・・

その日は一日中オフィスで待機してるからと慰められてもスッゴク不安な気持ちになっちゃったのは確かなのです(泣)

そんな不安な気持ちを抱えたまま、外務省から登記簿の英語での証明印を戴いて書類を揃え、社長のサインをもらって、アポの日を待ってたんだよね!!

その二週間後、大使殿とお会いできる日がやってきて受付で来館理由を告げて待ってたら、10分前なのにすぐに呼ばれ、恐る恐る大使殿のオフィスに足を踏み入れたら・・・

50代くらいだけど、スッゴク笑顔が可愛らしい大使殿が手を差し伸べてくれてて、ちょいと安心したって感じ??

実は今回の打ち合わせには2時間ほど頂戴してたんだけど、大使殿から・・・

『あなたの会社が我がインド政府の酷い対応で困っている状況は聞いている。
よって公使が私に説明した内容と相違が無いかだけを確認させてもらったら、
すぐにインド政府とインド準備銀行への対応に移りたいと思いますが、如何でしょうか?』

と、なんとも嬉しいお言葉を頂戴しちゃったのです!!

なので手短に5分ほどで簡単に概略を説明したら、それまで目を閉じていた大使殿はおもむろに目を開けて・・・

『良く理解しました。ではサインをしましょう。』

と、傍に控えていた秘書に公使と参事官を呼んでくるよう指示をし、彼らの目の前で私が持参した書類にサインをしてくださったのです!!

『ではインド政府とインド準備銀行の問題はインド大使と大使館の名誉にかけて、必ずや今週中に彼らに確実に解決させますので連絡をお待ちください。』

と、そのまま落ち着いた優雅な笑顔のまま、退室されていったのです!!

ふと横を見ると公使殿の額には大粒の汗が浮かんでて・・・

正直ね、受付の方たちや警備の方々の公使殿への敬意の表し方って、まるで王侯貴族に対するような『うやうやしさ』全開の態度で接してたので、公使殿ってものすごく高貴な生まれの方なんだろうなって感じてたんだけど・・・

そんな公使殿ですら、大使殿の前ではただの召使のように緊張して固まってしまうほどって・・・

うわぁ・・・大使殿ってどれだけ上の地位にいる方なの??

正直、あまり意識してなかったけど・・・私ってすっごい人たちと交渉してたんだね(笑)

改めてそんな風に思いながら公使殿と参事官殿と固い握手を何度も交わしたのです!!

そんな感じでサインしていただけた書類はインド政府とインド準備銀行への指示命令行為もあるので・・・

インド大使館参事官殿が即日ハンドキャリーにて直接、政府関係機関とインド準備銀行に持ち込んでいただけると約束してくださったので、そのまま書類を預けてルンルン気分で帰社したのです!!




難問を解決したら社内は敵ばかり・・・『お前は非常に目障りだから消えてくれ』(泣)

そんな感じで次の週にはインド大使館から『ランニングロイアリティ契約』が認可された通知を頂戴し・・・

その翌日にはインド現地法人の会長からも預けておいた『ランニングロイアリティの契約書にサインした』とのメールと共にPDF化された書類が回ってきたのです!!

そのメールを見た日本の社長は大喜びされたそうで・・・

長らくペンディングとなっていた『ランニングロイアリティ』だし、その収益って純益でしょ??

それが過去分から遡って年間〇億円もの大金が、今後20年間は何もしなくても入り続けるわけだしねっ(笑)

お陰で社長の覚えが良くなった私は、その数年後には社長から直々にインド駐在に任命される事になるんだけど・・・

でも亡母の看病で海外赴任を断ったら・・・って、これは前に言ったからもういいよねってな感じ(笑)

でもね・・・この二件の難問を解決したことで『全ての取締役役員理事たちの顔に泥を塗った形』になっちゃって・・・

結局、本社内での私の立場は『社長以外、周りは全て敵』ってな状況に陥っちゃったってわけなのです(泣)

なので、この問題もいつの間にか・・・

『一切関わっておらず、助けて貰ってもいない日本側の専務が解決した』事になっていて全ての成果を横取りされたばかりか・・・

その時期のボーナス査定時には・・・

『前回の評価はAだったが、君はみんなと違って英語が話せるので、これくらいできて当たり前だ。よって今回はこの評価だ。』・・・

との意味の分からない理由の元、評価は下から二番目に低い『D評価』を与えられちゃって・・・

って、実はその時どころか、その当年度中のみならず次年度の査定に於いても全て『D評価』だった(泣)

そんな感じで長年、誰も達成できなかった成果を上げたのにぃーっ・・・ってな、とんでもなく大泣きな状況に??

まあ、査定時に本当は彼らが強く望んでいたであろう『退社勧告に相当するE評価』をつける事は流石にしなかったけど・・・

って、ただ単に『E評価は社長承認が必要』だから、できなかっただけなのかもしれないけど・・・

実はこの二件だけではなく、他にもこんな状況下にありながらもめげずに功績をあげて会社に貢献し続けた私に向かって・・・

『使えないクズ社員的な”D評価”』を二年近くも与え続けるって・・・

これって上層部による『お前は非常に目ざわりなので消えてくれ的な悪意』が見え見えで・・・

うーん・・・そんな扱いをされ続けると流石にしんどかったけど・・・

それでも笑顔のまま、毎日を頑張ってたんだよね・・・

って、駐在を任命されるまでは・・・って、えへへ・・・もうしつこいって(笑)

まあ、そんな感じでこの会社では他にも功績をあげてるんだけど・・・

それはまた別のお話しって事なのですっ!!



【企業:考察】

海外営業時の愚痴話『品質改善プロジェクト:5s3定編』

海外営業時の愚痴話 『海外貿易フローの改善編』

暖かいコメントをくださった方への自戒を込めての返信

海外営業職時の愚痴話 『インド大使館編』

私が海外営業職にあった時の恥さらしな愚痴話

Bigoliさんの認知度向上に向けての提案

吉本興業、宮迫博之さんと田村亮さん事件に関する私見的提案




今回はこれでおしまい!!

そんな感じで・・・みなさん、ごきげんよぉーって事なのです!!







Pyonko and Mu From Tokyoでしたぁーっ!!

 

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ニッキー

問題って放置しておくと、どんどん大きくなっちゃいますよね(*_*)
それがわからない方たちが上に立ってるとは思えないのですが(ー ー;)
解決したむうぴょんこさんを賞賛するどころか
評価を下げるって、どういう会社なんだろう(・Д・)ノ
その上、会社に十分貢献しててちゃんとした理由があったから
断った海外赴任なのに・・・(´・_・`)
そんな公正な評価をされない会社で頑張ってた
むうぴょんこさんは本当に素晴らしい人だと思います=(^.^)=
その良さが伝わらなかったのは本当に残念です(´・_・`)

by ニッキー (2019-05-10 20:55) 

むうぴょんこ

心温まるコメントをアリガトッ!!
うんうん・・・すっごく嬉しいっ!!
なので感謝の気持ちを込めて返信を書いたんだけど・・・
長文すぎたのが問題なのか、何だか読み込みエラーが起こっちゃって記事そのモノも表示されないことが発生することがあるみたいで・・・
なので感謝の気持ちを込めて改めて新記事に仕立てちゃうねっ(笑)
えへへ・・・そんな感じでニッキーさんも頑張ってねって事なのです!!
ではではぁーっ!!
by むうぴょんこ (2019-05-11 13:08) 

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